1. 英語の語源 . . . 1977 / 渡部 昇一
1976年に発売され、啓発書として広く読まれた『知的生活の方法』(講談社現代新書)が100万部を超えるベストセラーとなり、「知の巨人」と呼ばれた上智大名誉教授の渡部センセイがその翌年に同じ出版社から出した本。英単語の語源を1つ1つ解説したものではなく、語源を探りながらその根底に流れる西洋文化を明らかにした文化論とも言える傑作で、絶版となっている今では中古書がプレミア付きで売られている。英単語への理解を深めると同時に比較文化の勉強にもなって、実にお得な一冊と言える。
2. 英字新聞の読み方 . . . 1982 / 本名 信行 (ほんな・のぶゆき)
「英字新聞を読んでみよう!」なんて意気込んで手に取っても、最初のヘッドラインに何が書いてあるかも分からず、あえなく挫折する人も多い。そんな人でもちょっとしたコツで楽しく読めるようにと本書を執筆したのは、青山学院で英米文学を学び、同校の教授から名誉教授と、青学で学んで青学で教える「青学ボーイ」の本名先生。新聞やコラムに頻出する単語や言い回しを優しく解説し、「英字新聞はこわくない」と説きながら読解のノウハウを伝授する。
3. コレを英語で何と言う?. . . 2013 / 牧野 高吉
「なぁ〜るほど」「さすが!」「まいったなぁ〜」などの受け答え、「ウケる」「スベる」「逆ギレ」などの若者用語、「女子会」「婚活」「断捨離」など、もう知っていなければ手も足も出ない単語を集めて紹介する。アメリカの大学で学び、教育言語学博士として活躍する著者が、「教科書に載っていない英語」の言い回しを簡単な単語を使って200例以上も解説しており、楽しみながら英語が学べる。
「よろしくお伝えください」「どちらとも言えない」「あれ何だっけ、あれあれ!」って英語で何と言う?興味が湧いて勉強したいと思う人には「がんばって!」(Go for it !)、別にそんなの読まなくてもと思う人は「まぁいっか」(Well, that will do)...
4. 人を動かす英語 . . . 2011 / ウィリアム・ヴァンス
世界最高峰の大学の1つに数えられるアメリカ東海岸のイェール大学で学び、同校のMBAコースなどで教鞭を執る言語学者のウィリアム・ヴァンス博士が、世界中から集まって来る留学生たちに贈るコミュニケーション講義。文法やボキャブラリー(語彙・ごい)を超えた別次元の英語力を身に付ける方法を伝授する。代名詞の使い方やボディランゲージのような技術的なテクニックに加え、日本語アクセントの英語が実は強力な武器になるという事実や、答えられないような質問を受けた時の脱出法などを「言葉のプロ」が簡単で心地良い英語を使って解説する。英語力を飛躍的に伸ばすような、日本では誰も教えてくれないノウハウが満載。
5. 3語で 9割 通じる英会話 . . . 2008 / ディビッド・セイン
英単語を3つ知っていれば言いたい事の9割が言えるという「スーパー英会話術」の本ではない。That's too bad (それは残念だね) や I'm in trouble (困った〜)のように、3つの単語で組み立てる文章で会話・表現の大部分がカバー出来るという、英語ファンには美味しい一冊。著者は1990年にアメリカから来日して翻訳や通訳などを手掛け、1998年に東京都の文京区に開いた英語学校 “AtoZ Education”の講師として人気のディビッド・セイン氏。NHKの日本語学習番組にも出演し、日本における英語本のベストセラー著者でもある。「気が合うね!」と言いたければ “We've got chemistry”、「イケてるね〜」なら“You're a knockout !”、今日からさっそく使ってみたくなる♪
6. その英語、ネイティブはカチンときます . . 2010 / デイビッド・セイン
相手の名前を聞く時の決まり文句・“What is your name ?”は、外人さんには「あんたの名前は?」と聞こえるため正しくは“May I ask your name?”、会話の途中で“I know that”と言えば「それくらい知ってるよ」と聞こえるので“I see”が正解、パーティーなどで男性が別の男性を紹介するつもりで “We are special friends”と言ってしまうと「僕らはゲイなんだ」と同じ意味... ? 日本人が当たり前と思っている表現が実はネイティブに不快感を与えている(かも知れない)と教えてくれる本である。まぁ英語を母国語とするセイン氏が言うのだからそうなのだろうけど、そこまで気を遣わねばダメ ? というコンプレックスを感じさせる内容でもある。「別にカチンと来たっていいじゃん、こちとら日本人なんだから!」とか「この本がカチンとくる!」と思う人も少なくないのでは?
7. 英語の害毒 . . . 2015 / 永井 忠孝
「英米のネイティブが話す英語が世界のお手本という認識は間違い」「小学校から英語を教えても身につかない」「日本人の話す英語はアメリカ人の英語よりも世界の人々に通じやすい」「英語が出来る人を優遇することで本当に優秀な人材を埋もれさせてしまうのは社会にとって損失」.....。 日本における英語教育の隆盛をアメリカによる植民地化と捉え、その脅威に警鐘を鳴らすのは、日本と同じモンゴロイド人種の少数民族であるエスキモー語を専門とする言語学者の永井忠孝。英語を母国語として話す英米やカナダ・オーストラリアなどの人口より、インド・中国・東南アジア・そして日本など英語を第一外国語とする人口が圧倒的に多い点に注目して、英語を学ぶ日本人の「英米コンプレックス」を覆し、アジアンイングリッシュの優位性を唱える。「ジャングリッシュ」しか話せない日本人にも自信を与えてくれる一冊。
8. 英語の看板がスラスラ読める . . . 2004 / 尾崎 哲夫
海外旅行で着いた空港でいきなり目にする “Baggage Claim”(手荷物受取所)、ホテルに到着したフロントでは “Currency Exchange”(両替)、ラウンジには “Residents Only”(宿泊者のみ入場可)、街を歩くとレストランの入り口に “Credit Card Available !”(カード使えます)などなど、現地の至る所に登場する英語の看板は、読めないともう手も足も出ないが知っておくと大変に便利なもの。『ビジネスマンの基礎英語』・『10時間で覚えるトラベル英会話』など多くの著書を持つフリーランスの尾崎氏が、短い言葉にエッセンスが凝縮された “SIGNBOARD”(看板)の読み方を指南する。 豊富な写真で旅行気分を味わいながら、いつの間にやら英語力がアップする?
9. 英語を学ぶのは40歳からがいい . . . 2011 / 菊間ひろみ
日本の大学で英文学を学び、アメリカの大学院で英語の教授法をマスターして現在では大手企業や大学向けに英会話研修やTOEIC対策を行っている菊間センセイの本。英語の勉強に出遅れて30代も後半となり焦っているビジネスマンにとっては思わず飛びつきたくなるようなタイトルで、その内容も英語難民に希望を与えてくれる。
10. 英語はいらない !? . . . 2001 / 鈴木 孝夫
年齢・性別・職業・人種など様々な社会層や場面における言語を研究する「言語社会学」を半世紀に渡って極めた巨匠で、評論家としてのデビュー作・『ことばと文化』(1973/岩波新書)で知られる鈴木氏は昭和元年の生まれ。終戦後に慶応の医学部を卒業するが、文学部に編入して言語学者の道を選んだというユニークな経歴である。英語があたかも世界の公用語のように広まったのは言語として習得しやすかった為ではなく、17世紀以降に世界の海を制覇した大英帝国や、戦後の国際世界をリードしたアメリカがその軍事力と経済力によって言語までも支配した結果であるとし、これからの日本は「言語大国」となって日本語を世界に普及すべしという理論を展開する。「英語をマスターする」ことを目的とする学び方ではなく、「内容を伝えるための英語」を学ぶべきとし、昨今言われている「第二公用語」としての英語など全く不要と切り捨てる。