1. ジャーナリズム崩壊 . . . 2008 / 上杉 隆
「権力の監視役」という本来の使命を逸脱して国家の情報を支配する「マスゴミ」を弾劾する異端のジャーナリスト・上杉隆が暴く「日本型ジャーナリズム」の恐るべき実態。政権や体制側にすり寄る大手メディアの記者のみによって組織され、海外メディアや個人ジャーナリストを徹底して排除する「記者クラブ」という珍妙な集団の存在に異を唱え、新聞やテレビを始めとする日本の報道機関が世界の「ジャーナリズム=報道精神」から見て異常な状況にあると糾弾する。政府の広報という機能しか果たしていないマスコミに迎合せず、権力者の嘘を暴き、弱者の現実を訴えて人々に影響を与える事こそがジャーナリストの仕事であるという信念を貫き通す筆者が、健全なジャーナリズムのあり方を提言した問題作。
2. 記者クラブ崩壊 〜 新聞・テレビとの200日戦争 . . . 2010 / 上杉 隆
前作の『ジャーナリズム崩壊』で報道メディアの巨悪を暴いた上杉氏が、その本丸とも呼ぶべき「記者クラブ」の正体に迫る。記者クラブとは、政府や自治体・業界団体を取材するという名の元に、新聞社やテレビなど大手メディアに属する記者たちによって構成された組織。1890年の帝国議会開催において、記者たちが取材の権利を要求して結成した「議会立ち入り記者団」をルーツとし、公権力の監視役として発展したのだが、1978年の日本新聞協会による画策により、それまでの「親睦団体」から「官僚と結託した取材拠点」へと方向転換された結果、大手メディアによる談合組織と化し、海外メディアやフリージャーナリストの参加を認めないという排他的な利権団体へと成り下がった。本書は2009年に政権与党となった民主党のマニフェストの1つにも明記されていた「記者会見のオープン化」に向けて、著者が記者クラブと繰り広げたバトルを描いたもの。
3. 新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか . . . 2012 / 上杉 隆
国民を騙し続けて日本を陥れる「ジャーナリズム」に愛想を尽かし、自ら「ジャーナリスト」の看板を降ろした著者が談合集団の「記者クラブ」に送る最後通告。東日本大震災に際して原発報道に右往左往する大手メディアの「役立たずさ」を糾弾し、真実を隠してウソの情報を流し、バレても責任を取らないマスコミの横暴ぶりを暴く。記者クラブという日本独特のシステムと、不健全極まりない「官報複合体」に向け、最後の爆弾を投下する一冊であり、ネットで炎上しようが「インチキ記者」と呼ばれようが、巨大マスコミに喧嘩を売り続ける姿は「あっぱれ」と言える。
4. 本当のことを伝えない日本の新聞 . . . 2012 / マーティン・ファクラー
著者はアメリカの大手新聞社「ニューヨーク・タイムズ」の東京支局長を2005年から6年間に渡って務めたジャーナリスト。2011年に起こった東日本大震災と原発事故という国難に際して「権力者の代弁」をたれ流す日本のマスコミに異を唱えつつ、新聞の無力さの裏側に潜む「ジャーナリズムの欠落」という根本的な問題を深堀りしながら「新聞不信」の真実を暴く。
5. NHKが日本をダメにした . . . 2014 / 武田 邦彦
中国の新華社通信、ロシアのタス通信のような国営放送とは違い、日本のNHKは国から補助金を交付されながら視聴者から集めた受信料で番組を制作する「公共放送」の扱い。利益を出さなくても潰れる心配が無い上に、都心の一等地に立派な自社ビルを建てて、職員の給料も高額という「超特別待遇」によって腐敗を極めていると糾弾するのは、「世間のウソ」と闘い続ける工学博士の武田センセイ。TVニュースで国民の暮らしを無視した野党のパフォーマンスばかりを強調する同社の姿勢は、日本の役に立つどころか逆に日本を貶めて滅ぼそうとする「左巻きの洗脳装置」であるという主張は強烈で、読めば読むほど受信料を払いたくなってしまう。さらにはSTAP細胞や「日本のベートーベン」事件などでNHKの報道が恣意的に、また利権と結びついて一部の人々だけが得をするように報道されていると厳しく指摘し、さわやかなTVニュースの裏に潜む陰謀を暴く。受信料を払っている国民が怒りを覚えるのも無理ないが、まぁ大河ドラマと朝ドラ、それにチコちゃんに払ってると思えば腹も立たないか。
6. テレビは見てはいけない . . . 2009 / 苫米地 英人 (とまべち・ひでと)
「機能脳科学者」というちょっと怪しい肩書きの苫米地氏が、テレビを「メディアによる洗脳装置」と言い放ち、百害あって一利ないとするその弊害について語る。画面一杯に魅力的に映し出されるクルマや高級時計・スリムな女性が笑顔ですすめる美容食品のCM・映像の一部だけを切り取って捏造したニュースを伝える放送局など、テレビにはあらゆる罠が仕掛けられており、その裏では僅か20〜30人ほどの「構成作家」という人々が作った「シナリオ」がドラマ・ニュース・バラエティなどを通して日本の世論を動かしているというもの。2009年に書かれた本だが、その後の10年間におけるマスコミの凋落やネットで暴露される捏造などを見ていると現実味を帯びており、今の日本の状況を予知していたとも言える。テレビ離れは既に始まっており、今後はさらに生き残りをかけた業界編成が起こるとしている。
7. テレビの大罪 . . . 2010 / 和田 秀樹
評論家で小説家で映画監督、そして臨床心理士で管理栄養士で受験アドバイザーという「何でもアリ」の和田センセイの本業は、東大卒の精神科医。自らがテレビ出演の多い立場ありながら、テレビが国民に与える大いなる損害、もっと言えば「数々の偽装や情報操作によって」多くの人々を死に追いやり、その健康を害し、そして知性を奪う「テレビの大罪」を糾弾する。過剰なダイエット至上主義によって若い女性たちを拒食症に走らせ、医療過誤を攻撃し続ける事によって逆に医療崩壊を招き、自殺の方法や有名人の自殺などに関する過度な報道で逆に自殺を増やしているという現実を暴露し、テレビ業界を「知的レベルの高い人たちが、自分たちよりレベルの低い大衆を騙して儲けている」と糾弾する。和田センセイがこの業界に抱く疑念は「テレビは事実を映さない」ということ。伝えたいメッセージに合わせて映像と音声を切り貼り加工するマスコミの「ずるい」手法による情報操作に騙されないようにと読者を啓蒙する。
8. やめたら . . . 2009 / 大橋 巨泉
司会者・マルチタレントとして活躍した大橋巨泉が、戦後に奇跡的な復興を果たした日本を讃える一方で、今の世の中にはもう不要だと思われる習慣や現象を遠慮なく排除する。1987年から2年に渡って自らが手掛けたテレビ番組・「巨泉のこんなモノいらない」の新書バージョンとも言えるもので、「偽善エコロジー」「世襲政治家」「バラエティ番組」など、昭和から平成になって劣化し続ける日本にとって「諸悪の根源」であり、すぐにでも「やめたら」良いと思うモノを名指しで批判する。2005年に発覚した自らの「がん」と闘いながら記した、巨泉氏の遺言とも言える一冊。
9. 朝日新聞 〜 日本型組織の崩壊 . . . 2015 / 朝日新聞・記者有志
2014年に批判の的となった「従軍慰安婦」と「吉田調書」の捏造問題をきっかけに「偏向新聞」「捏造のオンパレード」「朝鮮日報」など、最近ではその反日かつ中朝寄りの報道姿勢によって叩かれまくりの朝日新聞。本書は同社の記者チームによる朝日再生への提言かと期待したが、その内容は批判に見せかけた擁護に終始するのみで、これが「朝日的」というものかと納得。すでに報道機関としての名声は地に落ち、不動産の賃貸で日銭を稼いでる朝日に対しては、同社の記者でさえも新聞社としての復活は期待していない様子だが、真摯なジャーナリストを目指して頑張っている人々から見れば、ストレスの溜まる内容。
10. 世界のニュースを日本人は何も知らない . . . 2019 / 谷本 真由美
「アフリカのメディアを買収する中国」・「国連はまるで町内会」・「アメリカ人のほとんどは貧困層」..などなど、あまりにも日本人が知らなさすぎる世界の常識やニュースを紹介するのは、アメリカの大学院で国際関係論・情報管理学修士を取得し、国連の専門機関・外資系金融会社を経て現在はロンドン在住の谷本氏。名前がよく似ているが、日曜朝の偏向番組・「サイテーモーニング」に出演し、 大阪のおばちゃん代表を勝手に気取っている谷〇真由美とは全くの別人である。週刊誌よりも下らないニュースや偏った情報を垂れ流すばかりの日本のマスコミに惑わされて、世界の正しいニュースが入って来ない日本の現状に危機感を抱く文筆家が、日本人に外からの目線を提供して気付きのヒントを与えてくれる指南本。